ツタが巻き付いた木は枯れる?寿命が短くなる?
つる植物が巻き付いたヤチダモを伐採した現場からご紹介します。
北海道の特殊伐採業者ソラシンゴ(TREESERVICE 空師.ngo)の作業の様子です。
今回のご依頼
家屋に近い13mほどのヤチダモの木を2本伐採します。1本は上部までツタが絡んでいます。
後ろ側には水路があり、作業スペースが限られています。反対側はきれいに整えられたお庭ですので、庭木の損傷は避けたいところ。
また、家屋につながる電線が間を走るため、接触や断線に注意が必要な現場です。
ご依頼者様はこの引込線に枝が大きくかぶさっていることにお困りでした。両側の2本を伐採すれば安全ですし、住宅への日の入り方も変わってくることと思います。
作業の様子
幹周り2mを超える大きな2本で枝の張り方も広いため、二日間かけて慎重に作業をします。木の足元の作業スペースは狭く、地上スタッフを増員してこまめに片付けながらすすめました。
さて、今回伐採の2本のうち1本は、ツタが木の先端まで絡みついています。
伐採予定ではない木にもツタに覆われたものがいくつかありました。
木に這うツル植物は風情がありますし、種類によっては秋に紅葉して美しいものですが、木にとってダメージはないのでしょうか?
ツルが絡む木は枯れる?
ツルが絡む木は、次第にダメージを受け元気がなくなることがあります。
大木にツルが絡みついていても、すぐに枯れたりすることはありません。北海道でよく見るツル植物は這い上がるだけで、木自体を締め付けたり栄養を奪ったりするものはありません。
ただし、枝葉を覆い尽くしてしまうくらいになると、必要な光合成ができなくなってしまい徐々に木は弱っていきます。
これまで弊社で対応した伐採樹木で枯れ始めている木の中には、ツルがびっしりと絡んでいたものがいくつもありました。状況により一概には言えませんが、ツルが巻き付くことにより木の寿命が短くなるケースもあると体感しています。
<北海道でよくあるツル植物の例>
・ツル自体が絡みつくタイプ
サルナシ、マタタビ、ミツバアケビ、ツルウメモドキ など
・気根を出し張り付くタイプ
ツルマサキ、ツルアジサイ など
・巻きひげと吸盤があるタイプ
ツタ類、ツタウルシ、キヅタ など
・巻きひげを絡ませて登るタイプ
ヤマノブドウ、ノブドウ類
庭木に絡むツルは定期的に除去しましょう
つる植物は非常に生命力が高く、完全に根絶やしにするのは難しいものです。根があれば再び伸びてきますし、気根で張り付いた一部が残っているだけでもそこから生育を再開することもあります。
大切にしている庭木の場合は、ツルが木を覆いすぎないよう年に1回ほど引き剥がして整理するのがおすすめです。紅葉するツタの場合、春に古いツルを低い位置でカットし引き剥がしておけば、夏の間またほどよく伸びて秋には紅葉を楽しむこともできるでしょう。
ただし、ツタウルシなど触れるとかぶれる危険があるものは、根こそぎ除去したほうが安心です。また、ツルが太く木質化するキヅタも幹の成長を妨げる可能性があるので、小さいうちに除去する方が無難と言えます。
ところで、枝の先端までツタが登っていくと、さらにその先に伸びて電線へ絡んでいったりすることがあるので注意が必要です。電線に絡むツタが停電の原因になる場合もあり、とても危険。そうなると電力会社へ除去を依頼しなくてはなりません。
庭木に巻き付くツル植物は早めに管理し、伸びすぎには注意しましょう。
ツタと闘う空師
さて、ツルが絡んだ木を伐採する場合、そのままではとても伐りにくいのでまずツルを剥がす必要があります。
チェーンソーの刃を入れる部分の木肌が見えるよう、ツルを剥がしますがこれがけっこう大変なんです。太い部分に切り込みを入れつつ、引っ張っていきます。
上の写真ではちらりと見えるオレンジ色が空師三浦です。ツタと闘っているところ。木の中ほどには幹から剥がれて落ちかけているツルがあります。
今回のお庭では天候の関係もあり数日かかりましたが、無事2本の大木を伐採できました。たくさんの木がある美しいお庭でした。大木2本がなくなると風通しが良くなりますね。
これで枝やツタが電線に絡む心配もなくなりました。
またお困りの際はぜひご相談いただければと思います。
関連記事▼
弊社では、10m以上に育った大きな木をメインに伐採・枝打ちや芯止めを承っています。このブログではこれまで行った様々な伐採事例を紹介中ですので、よろしければご覧くださいね。
お問い合わせ・お見積り依頼はお気軽にどうぞ。道内どこでもお見積りできます。
Comments