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北海道の特殊伐採業者「TREESERVICE 空師.ngo」(ツリーサービス ソラシンゴ)です。主に10m以上の高木・大木の伐採をお引き受けしています。
大きくなる木は管理が必要
カラマツ、トドマツ、トウヒやもみの木、オンコ(イチイ)、ヒバ、またヤチダモやドロノキ、プラタナスなど、北海道で大木になる樹種はいくつかあります。お庭のシンボルツリーや敷地の生け垣・防風木として植えておられる方も多いのではないでしょうか。
大きくなる木は管理のために伐らなくてはいけなくなるときが必ずやってきます。といってもどんな状態の木が伐採の必要な木なのか、判断に迷うことがありますね。
大きな木は切らなくちゃダメ?
どんなところに生えている木は倒れやすい?
木の寿命って?
思い入れのある木だとなかなか切ってしまう気にはなれませんが、ご近所の迷惑になったり大事故になる前に適切な管理をするのは所有者の責任でもあります。
そこでこの記事では、実際の例を交えつつどんな状態の木が危ないのかご説明します。
ぜひ参考にしていただけると幸いです。
伐採するべき木はこれ
結論から言うと代表的な危ない木とはこんな木です。
【早めに伐採が必要な木とは】
根の張りが浅い木
空洞ができている木
樹齢60年を超えた木
斜面に生えている木
建物に近すぎる木
電線に接触しそうな木
以下で詳しく説明します。
1.根の張りが浅い木は台風で倒れてしまう
この数年、北海道にも台風の被害が増えています。
街路樹がなぎ倒されている様子に驚いた方も多いのではないでしょうか。
枝の大きさに見合わず根の張りが浅い木は大風にあおられた時に踏ん張りがききません。
特に街路樹の場合は根を張るスペースが小さくて倒れやすくなっている場合が多いです。
しかし庭木や防風林などでも、地質や地盤の影響で根がうまく張れていない場合があります。
さらに高木になると風の影響を受けた時に揺れる幅が大きいため、振り子のような現象が起き、根元からめくりあがる確率が増えてしまうんです。
また立枯れしている状態の木も強風によって倒れたり折れたりします。
広い土地で完全に倒れてしまった木の片付けは難しくありません。
しかし隣の木に寄り掛かった状態で止まってしまうと処理はとても危険になります。
この写真も、台風の被害現場でした。
大きなトウヒで、防風林の中の1本だったため隣接する何本かの木にもたれかかっている状況。(「トウヒ」はエゾ松の変種とされる針葉樹)
このようなときは、寄り掛かっているだけに見えても、ねじれていたり弓なりに反っていることがあります。一部を切るとその反動が思いもよらない方向に返ってくることがあるんです。注意しないと作業者が跳ね飛ばされ、大けがすることも。
根がめくりあがっているときも注意しなくてはなりません。
見た目ではわかりにくいのですが、木の根にはもとに戻ろうする力が働くため土の中に残っている部分がビンビンに張っている状態があります。
この状態で枝先を切ると急に幹が起き上がってチェーンソーが挟まれることがあるんです。
怖い・・・。
このような木は慎重に力の方向を見きわめながら切っていかなくてはなりません。
危険指数が高いので、空師の作業料金もやや高くなってしまいます。
背が高くなる木は、できれば台風等で倒れてしまう前に、一定の高さ以上にならないよう長さを切りつめるなどして管理するのがおすすめです。
空師のお手伝いが必要な場合は弊社までご連絡ください。
2.空洞がある木は折れやすい
台風で胴体から折れてしまう木もあります。
これは木の中が腐って枯れているからです。外見は立派で元気そうでも、芯が弱っている木があります。
幹に空洞(うろ)ができている木は要注意。
空洞があるのは木の中心が枯れたからです。
木の細胞が活発に活動しているのは表面層だけで木の芯は成長しません。
ですから何かの理由で木が大きな傷を負った場合、表面は新しい細胞で覆われて傷が埋まっても、内側はそのままということがあります。
またそこから菌類が侵入することでさらに穴が広がってくることもあります。
木の幹に空洞がある分、当然折れやすくなってしまいます。
木のうろは小動物のすみかになるなど、森の中では一定の役割がありますが、庭木の場合は早めに対策を考えたほうがいいでしょうね。
3.寿命が近づいた木は空洞化していることも
前述のように目に見える空洞(うろ)があればわかりやすいのですが、実際は中が空洞化していても気づかない木も多いです。
外見は葉を茂らせてとても元気そうだったのに折れてしまった木は、大抵の場合が空洞化していたか、一部が枯れていた木です。
木の寿命が近づくと、空洞化が生じやすくなります。
人工林は寿命が短い
ですが木は一般的に長生きで寿命は何年と一口に言えません。
何百年と生き続ける木もあります。
北海道で高木や大木になるエゾマツやミズナラ、ハルニレなどは200年以上生きている木が多くあります。
天然の原生林だと、比較的寿命の短いドロノキ、シラカバ、トドマツ、ハンノキなどでも100年前後生きると言われます。
しかし、途中で傷ついたり、病気にかかったり、根を踏みつけられる環境、強風を受け続ける環境等にあると寿命は短くなります。
そのため人工林や街路樹、防風林など、人工的に植えられた木の寿命は3分の2から半分程度に短くなることが多いのです。
葉の様子や実の付き方などである程度老化の度合いを観察できますが、内部の空洞化は表面上わからないことがあります。
それで樹齢60年を過ぎている木は少し注意して見守るほうがいいと思います。
老化の度合いがわからず不安な場合は、手遅れになる前に短く伐ることも考えてみてください。早めの対処が肝心です。
どの木も、早い段階で短くして枝張りを制限したり、ひこばえや挿し木で株の更新をすることでまた育てていくことができます。
大事な木、気に入っている木ならなおさら放置しすぎないことが大切ですね。
4.斜面の木は細くても危険
自宅敷地の裏手が斜面になっているお宅はよくありますね。
しかし斜面に木が生えている場合はちょっと注意が必要です。
しっかり根を張った木は土留めの役割も果たしますが、斜面に生える木の場合は地崩れの原因になることが多いです。
木が大きくなるにつれて木の重さが斜面に負担になり、雨で地盤がゆるんだり、大風で揺れる木のせいで地面が揺さぶられたりするため地崩れが起きやすくなるのです。
いわゆる崖くずれのことを「斜面崩壊」と呼びますが、その際は斜面の下にある民家や道路に崩れた土砂と樹木が一緒に流れてくることになり、大変な被害をもたらします。
まっすぐ生える性質の木であっても斜面では日光を求めて変形して育ちます。
そのため斜面の下側に向かって枝が広がっていることが多く、重心が偏るため根が裂けたり、衝撃があると崩れやすい状態になりがちです。
また下にある建物に落ち葉が降り注ぐことになるので、落ち葉が溜まることによる屋根や樋(とい)の劣化を気にする方も多いですね。
ご近所さんへの影響も考えておく必要があります。
先日お伺いした現場も、まさにそのような状況でした。
斜面では成長が悪いので幹は細いまま、ひょろひょろと枝を伸ばしています。
かなりの急斜面を登ってから細い木に上がり、さらに体を伸ばして細枝を切っていくのはスリル満点。
細い木にはスパイクがかかりにくいので、バランスをとるのが大変です。
それでもこちらは早いうちにご依頼をいただけたので良かったです。
このまま置いておくと、さらに伐採難度の高い木に成長してしまいます。
意外と木の成長は早いため、数年で倍の大きさになることも。
そうすると作業金額の方も膨らんでしまいます。
「この木はまだ細いから大丈夫」と思わず、ご自分で対処しきれない木はぜひ早めに空師にお問い合わせいただければと思います。
行政への相談が可能な場合も
ただ、裏山が自分の所有ではなく国有林や道有林、市町村の敷地である場合もありますよね。
その場合は、危険木について地元の自治体に問い合わせると相談に乗ってもらえます。
市町村の土木課に連絡をしてみてください。
その木がどこの所有なのかがわかりますし、もし自治体の管理下のものであればすぐ動いてくれるでしょう。
個人の所有地で連絡が取れないなどのケースでも、近隣の住民に危険が及ぶと判断される場合は伐採等のための助成金を出してくれる自治体もあるようです。
弊社でも自治体からの依頼で裏山の木を伐採しにいった案件があります。
写真ではわかりにくいかもしれませんが、民家の裏側の少し高いところにフェンスがあります。
フェンスの向こうに生えている木が倒れてこないか不安を感じていたお宅の方が自治体に相談し、伐採することとなりました。
斜面で大きくなったマカバの大木が住宅側へ傾いている状況です。
通常の伐採作業だと高所作業車かクレーン車を使っての作業になるか、ショベルカーで押し倒す形での伐採になります。
しかしこの現場は道路もない斜面であるため、そのような重機が入るには道を整えるところから始める必要があり、伐る必要のない木まで伐採することになります。また莫大な費用がかかってしまいます。
そこで役所の担当者から空師に発注がきたというわけです。
この現場では大きく枝を伸ばした立派なマカバのほか、針葉樹のストロープなど数本を伐りました。
重機がいらないため、その分費用を抑えられるのが特殊伐採です。必要以上に税金を使わなくていいように少し貢献出来たかな。
これで斜面の下のお宅も安心できるようになったと思います。
5.建物に接近した木は設備を壊すことも
家のすぐそばに生えている木の場合、根が建物の設備を壊してしまうことがあります。
根が張って家の土台の隙間に入り込んだり、塀を崩してしまったり、下水管の割れ目に入り込んだりするケースです。
下水がしょっちゅう詰まるので調べたところ、配管の中に木の細かい根がはりめぐっていたという例はよくあります。
そこまでになってしまうと、その修理にかなりの費用を掛けなくてはいけません。
6.木と電線の接触は事故の原因に
また枝が電線や電話線に接触する高さになると、「地絡(ちらく)」の原因になります。
地絡とは地面と電線の間に電流が流れる状態のことで、引火や感電の恐れがある危険な状態です。
もちろん建物に近いほど、台風などで倒れたり枝が折れた時の被害も大きくなります。
台風の倒木が電線にもたれかかり、付近一帯が停電する事故も多いです。
庭木は育ち方をよく観察し、大きくなりすぎる前に剪定したり、必要なら抜いてしまうことも考えましょう。
気に入っている木は若いうちなら移植もできます。
しかし建物の2階以上にまで伸びてしまった木を処理したい場合は、ご自分でされるのは大変危険です。庭師や空師にご相談くださいね。
まとめ
この記事でご説明したとおり、近い将来に倒木になりそうな木や、建物の支障になりそうな木は早めに整理しなくてはなりません。
長く放置すればするほど危険度が増すので、自分で行うのが無理になるばかりか、依頼を受ける業者の見積価格も高くなってしまいます。
弊社では、10m以上に育った大きな木の伐採・整理を承っています。
道内どこでも無料でお見積りに伺いますので、ご相談くださいませ。
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