北海道の特殊伐採業者「TREESERVICE空師.ngo(ツリーサービス ソラシンゴ)」です。
主に10m以上の高木・大木の伐採をお引き受けしています。
今日は千歳の稲垣造園さまのご依頼で、個人宅さまのお庭での特殊伐採作業です。
18m、20mの大木が立ち並び、ぶどう棚やお手入れの行き届いた植栽が趣きあるお庭。
今回はweb担当のsonoが密着してまいりました!
作業の開始からついに大木が切り株になるところまで、画像で詳しくレポートします。
今回の案件依頼内容
樹齢70年前後の楡(ニレ)の木、2本の伐採です。
画像奥の真ん中の楡は、このお庭のオーナー様が小さいころから既に大きかったとのこと。思い入れのある木だと思います。
大きくなりすぎてしまい、日を遮っていることや落ち葉の量もすごいことから、このたび思い切って全部伐ることにされたようです。
画像左に写っている、根元から2本に株別れしているのも楡。こちらも今回切ることになりました。
どちらもマンションの5階より高く、約20メートルほどに成長した大木です。
今日はまず奥にある太い方の木を切っていきます。
9時作業スタート
9時から作業をスタートします。
まずは立ち会ってくださったオーナー様、依頼者様を含めて今日の作業の打ち合わせ、危険予知を行います。
よく手入れされたお庭ですので、できるだけ庭木を傷つけないように切る順序、下す位置など事前にかなり計算が必要。
しかし上に登ってみないとわからないこともたくさんあります。
<空師三浦のコメント>
まずは木に登って枝の生え方を見きわめ、地上のスペースとの兼ね合いを考慮。
実は今回は、予算を抑えるために、切った部分をリギングではなくそのまま地上に落とす方法で切ります。
※リギングとは切った木をロープと滑車でゆっくり下ろすこと
幸い、木の周囲の地面にある程度のスペースがありました。
しかし非常に複雑に枝分かれし他の庭木の上に大きく張り出した部分もある木なので、できるだけ下の木を保全できるように伐倒方向のコントロールをして行いたいと思います。
下から大きな枝を切り落とす
樹木の下側にある大枝から順に切り落としていきます。
写真では手前に既に切った枝が積まれています。
作業が進むにつれてこの山がどんどん大きくなります!
大枝になるとワンカットで200kgくらいにはなりますので、落とす位置には慎重さが必要。
地面に落ちるときの「ドーン」という音もすごい!
とても広いお庭ではありますが住宅街ですので、すぐ裏に一軒家やマンションがあります。
ときどきお住まいの皆さまが窓から様子を見守っていました。
合間にお庭やベランダから「すごいね!」と声をかけてくださった方も。
伐採のチェーンソーの音だけじゃなく、地上班との連携のために大声を出したりしますので、かなりうるさかったことと思います。
地上班との連携が重要
伐採中、地上班も大忙し!
空師三浦の声掛けに応じて木の上に道具を上げたり、ロープを結んだりほどいたり、
切る枝をコントロールするためにロープを引いたり、
落とされた木をチェーンソーで運べるサイズに切ったり、
枝葉を仕分けしながら作業スペース確保のために邪魔にならない位置に積んだり、
あとは写真を撮ったり、声援を送ったり(?)、怒られたり(?)、
本当に忙しい。
<空師三浦のコメント>
通常、地上班は相方1人ということも多いのですが、今回は依頼者の稲垣さんが造園屋さんということもあり、かなり作業をサポートしてくださいました。
とってもパワフルに、ご自分のチェーンソーで片付けを手伝ってくださったり、
下から見た枝振りを踏まえてアドバイスをくださったりしました。
木の上から見ているだけでは、少し離れて見たり別の角度から見たりすることができないので、枝の全体像や長さなどをつかみにくいことが多いんですよ。
「俺は(空師に関しては)素人だから」と謙遜されながら、「こっちに倒したらどうだろう?」「こちら側に体をかわすことってできる?」など的確な提案をしてくださったお陰で、スムーズに作業が進んだと思います。
すっかり枝がなくなった
あれよあれよという間に、四方八方に伸びていた枝がなくなり、中心の1本だけに。
時々見にいらしていたオーナー様も、「ずいぶんきれいに切るものだねえ」とほめてくださいました。
長年お庭にあった木が切られるのは複雑な心境では、と思いますが、静かに見守ってくださりありがとうございます。
作業はもう少し続きます。
上から胴切りします
最後に残った胴を上から少しずつ切って下に落としていきます。
自分の体を支えるロープの位置を変えて徐々に下がりながら行います。
最後に地上で切り倒し
残り5mくらいになったところで、三浦は地上に下りてきました。
あとは伐倒方向を決めて、根元にチェーンソーを入れていきます。
他の作業チームはロープを引っ張り、倒れる位置をコントロール。
とうとう楡の木が倒れました!
このとき、柵の外には通りがかりの親子連れなど数名の方々が気づいてちょっとした人だかりに。
「おおっ、切ってるぞ!」「すごいよ、見てごらん」「ああー!倒れたー!」
と結構盛り上がって見学してくださいました。
なかなかこんなの見る機会ないですよね。
いつも近くを通っている皆様にとっても馴染みのある庭木だったと思います。
お騒がせしましたが、ご声援ありがとうございました。
この楡の木が倒れた後、空がぶわっと広がり、お庭の中が急に明るくなりました。
隣接するお宅にもこれまでより日が入るようになるかもしれません。
◆大木伐採のビフォーアフター
写真でビフォーアフターを確認してみましょう。
お庭の中ほどにあるぶどう棚越しに、ほぼ同じ位置から写真を撮っています。
これが手を付ける前。
写真中央に大きく枝を広げている木にご注目ください。
左右前後に張り出していた枝を切り払い、芯だけになったところ。
木の中ほどに空師が登っているのが見えるでしょうか?
下まで切り終わったところ。丸ごとなくなっています。
お庭の向こうに道路を挟んで大きなマンションがあるのですが、その姿がこちら側からもちらりと見えるようになったのがわかると思います。
次の日、隣に生えていたもう一本の楡の木も伐った後。
向こう側のマンション全体が見えるようになりました。
他にも大きな木が何本もある、ちょっとした公園のようなすてきなお庭です。
大木が2本なくなりましたが、これからも稲垣造園さんのお手入れで街に緑を提供していくことだろうと思います。
切り株を見ながら
切り株になった楡の木。
事故なく無事に終わったのでみんな笑顔です。
オーナーさんに樹齢を訪ねた時は「70年くらいだと思うよ」とおっしゃっていましたが、年輪は細かくて数えきれないほど。
もしかしたらもっと年を取った木だったのかもしれません。
古い木だけに老化が心配でしたが、切ってみるととてもしっかりと健康な状態でした。
切り株に触れてみるとじゅわっと樹液が。
痛かったかな、よく頑張りました。
根は残っていますので、木のパワー次第ではまた近い将来芽吹いて、次世代が伸びてくるかもしれませんね。
切った枝、太めの枝や胴部分は薪として活用するとのこと。
今回は稲垣造園さんが後処理をしてくださいます。
<空師三浦のコメント>
今回も無事に作業ができ、ほっとしました。
次の日、隣にあった2本目の楡の木を伐りました。
こちらはふたつに分かれて生えていたので実質2本分の手間がかかるものの、先に奥の木を伐った後のため作業がやりやすく、お昼には終了。
午後からの片付けには稲垣さんの奥さまも応援に来てくださいました。
余談ですが、奥様がチェーンソーメーカーの「ゼノア」のジャケットを着ていて「さすが!」と思いました。
(わかる人にはわかると思います)
<web担当から>
いつもはパソコン作業ばかりの私ですが、現場作業を間近で見てたくさんの発見がありました。
空師三浦の声の大きいことは知っていましたが、木の上からの合図がまた大きい!
安全な連携のために大事なことですね。
稲垣さんにも木のことをいろいろ教えていただいて勉強になりました。
道具の写真もいろいろ撮ってきましたので、いずれ空師の使う道具について記事にする予定です。
まとめ
この記事では、個人宅のお庭で大きく育った大木の特殊伐採事例を詳しくご紹介しました。
今回は平地でしたので、立地条件等から言えば幾分切りやすい環境でした。
伐る手順を見るのにも良い案件でしたね。
空師に木を伐ってもらうときはどんなふうに作業が進むのかな?
と興味を持ってくださっている方には参考になったでしょうか。
ぜひ他の事例と合わせてご覧いただければ幸いです。
お問い合わせはメールやお電話でお気軽にどうぞ。道内どこでもお見積りできます。
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